10.1.11

27/09/10 September

月曜日。今月ほとんどこの日記を書かなかった。気がつけば月末。書きたいことはいっぱいあった。ありすぎて、日々があっという間に過ぎてしまった。

9月の上旬、第三学期の後半で次の学期にある全国統一試験に向けて学校はピリピリしていた。といっても日本に比べたらぬるいものであるが・・。それでも、生徒の中には放課後教室に残って勉強する者がぽつぽつ居るようになった。そんな生徒に向けて課外授業がおこなわれることになったが、教師が来ないことが多いと、問題になった。自分は時間があるときは、放課後教室を回って、理数科目で問題がある生徒に個別に援助している。そんななか、教室を覗いてみると、生徒が集まって、教師が来ない状況に立ち会ってしまった。いたたまれずに、準備なしではあるが、生徒の多くがつまづいていた問題の解説などをした。来ている生徒はとても真剣。いつも教えているGr.9に比べたら集中う度合いが違う。こちらも燃えてくる。とてもやりがいのある仕事だとおもった。

夕方の帰り道、家の近くから聞き覚えのあるガラムッド(伝統的な打楽器)のリズムが聞こえた。それは、かつて国の教育省のお偉いさんが来たときに生徒が踊っていたもの。マヌスには各地に様々なガラムッドのリズムがある。生徒が踊っていると思い込んで、そちらに行ってみるとそこには生徒は居なかったが、もっと小さいこども、生徒ぐらいのこども、おじさん、おばさんが見覚えのあるシンシンを練習していた。見学させてもらったが、その踊りの世話人のWさんの勧めもあって、その日から一緒に練習することになった。その人々はバルアン島というロウ島の近くの島のシンシンを練習して、9月半ばにあるSHOW MANUS、というマヌスのお祭りで披露するらしかった。本番まで1週間、一緒に練習して、少しでも習得できたら生徒と今度踊れるかな~なんて思っていた。

1週間やってみると結構やれるものだった。お祭りも一緒に出ることになった。このチームは20人程度。Lorengau Mixという、少しかっこいい名前だった。バルアン出身の人が多いが、全員ではない。祭りには各地からシンシンを踊りに人々がやってくるが、各村々に暮さず街に出てきてしまった人たちは、シンシンを踊るチームがない。そんな人々が集まって作ったチームだから、Lorengau Mixということになったらしい。あまりモノの集まり。自分にとっても一番ふさわしい場所だ。バルアンのリズムはマヌスの中でも速く激しいと言われていて、私はかっこいいなと思っていた。日に日に上達していくのが楽しかった。録画して夜も師匠のステップを研究。衣装作りも仲間に手伝ってもらいながら楽しくやれた。

祭りの当日は、とても大勢が集まっていた。ただし、学校のある平日で自分はあまり見に行くことができなかった。幸運にも自分の踊る番は放課後の時間帯だった。もしも学校と重なったら学校を優先することは告げておいたが、本当に幸運だった。何せ直前までプログラムを誰も知らないという、イタイ状況だったからである。この祭りにはまたお偉いさんが来賓として参加していた。彼らを中心に祭りが動いているように見えた。ステージは来賓に面しながら、その後ろ側に一般の観客がいる。そしてステージの人々は皆、観客にではなく、来賓に向かって演技をする。観客は皆、後ろ姿を眺めるだけという状況。

Lorengau Mixは5日の祭りの中で合計4回踊った。総合、子供の部など審査もされたが、その結果を誰も知らない・・。ただ、私が踊ったときは観客の騒ぎ方が尋常ではなかった。外国人がシンシンを踊ることは、普通ではない。注目されまくった。司会者は私のことばかり、述べまくった。街を歩けば、バルアンマンギー(バルアンの男)と声をかけられまくり、握手されるようになった。ただ、チームのみんなはとても喜んでくれた、私も踊りの楽しさを共有できてとても幸せだった。日本で「踊る」という行動はとても特殊で、自分には向いてないとばかりに思っていたが、気が付けば、心から踊りというものを楽しめるようになっていた。

日本に帰ったら何か踊ってみようかな。

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