23.11.09

20/11/09 責任

金曜日。今日の中休みが自分が課した宿題、アサイメントの締切だった。集めた。

この宿題の為に今週は毎日生徒が実験室に来て岩石・鉱物標本をスケッチした。素直に感動してくれる。でもこの課題を運営をして色々問題が浮き彫りになった。

まず生徒の態度。この一週間で一つの標本が壊れた。生徒には壊れやすいから気をつけて触るように指導する。それでも硬さが気になるようだ。というかそのような繊細なものの扱い方を知らないのかも、とさえ思う。また、一つの標本が紛失した。生徒たちは無くなるから先生が目の前で見てないとだめだよと言っていた。しかし、私は持って色々な方向から見ないと分からない様々な特徴に気付いて欲しかった。気付いた生徒は居た。それはとても嬉しいのだが、代償が大きい。もちろん永遠に壊れないものでもない。天然資源とそれを使う人間の関係の縮図を見ているようだった。もう一つの問題は答え写しが非常に多いということだ。スケッチしにきた生徒があまりに少ない。心配したが、ほとんどの生徒の課題用紙にはきちんとスケッチがしてある・・・観察してあることが一字一句同じだったりする。せっかく生の教材を見るチャンスなのに・・価値を生徒が感じなければ仕方無い。教師の、自分の力不足を痛感すると同時に魅力を受け取れず、勉強の機会を失った生徒に申し訳なく感じる。

次に教師、同僚の問題。水曜日の教員会議で全員で確認した役割を果たさない教師が現れた。Mr.Nだ。彼は木曜日の図書館の監視の担当になっていた。この宿題は自分で調べなければ完成できないようになっていた。だから生徒は図書館を使う必要があるのだが、宿題を出した教師らが開放しなければ生徒は図書館は使えないのだ。彼は生徒に「すぐ戻る」と言う言葉を残して昼休み前に去ったらしい。開いていない図書館の前で生徒はそこに居ないMr.Nを非難していた。自分は実験部屋を見ていなければならない・・。なんとかできないか、走りまわったが、鍵を持つ教師も外出し、術は無かった。そのとき私が図書館監視の応援を求めた他の教師が、岩石標本が沢山貼ってあり説明してある板の教材を持ってきた。「これに色々書いてあるから勉強できるだろうと・・。助かった。これは火山岩と分かってスケッチしたって面白さは半減するから、あえてその教材は私は使わなかったのだ。しかし、あるもので図書館の代用とした。それで生徒らは納得した。自分だったら納得できるはずないが・・。Mr.Nは誰の前で約束しようと約束を守れない、そしてそれを誰もとがめないということも分かった。責任という言葉を誰も使わない。

今日は金曜日で教師内での勉強会的なものがあった。毎週職員会議があるが、学校運営のことを話すときもあれば、このようなことをすることもある。今日のテーマは適正な体型について。BMIについて紹介された。健康的な体型をしている自信があったため、特に感慨もなく話を聞き、実際に体重・身長を測ったら、驚いたことに体重なんと5kgも落ちていた・・・。60kg。174cm。BMIが20を切った。太ったんではないかと思っていたくらいだったから、ショックが隠せなかった。基本大量の米とパンを作りためた朝晩カレーと一緒に食べている。昼は帰れないのと、冷蔵庫が無いことからこんがりとトーストした食パンを持ってきてかじっている。

協力隊ダイエット・・油断するとやせる。同僚に話したら、親には言わない方がいいよ、すごく心配するから、とアドバイスされた。働きすぎだよ。

ここに来て、家族の大切さを感じる。隣のいつも子ども怒鳴ってる、「嘘つき!」なんて言いあってる家庭の声を聞きながら、自分の育った環境を想うのだ。隣さんで私が育っていれば、常に人を疑いながら育っていただろう。いつか見た、母親と小さな自分が映っている写真。もちろん記憶は無いが、それを撮影した父親、その部屋の雰囲気を想像する。愛されていたんだな。良く作ってくれた蒸しパンの味、自転車の後ろの籠に私を乗せて花火へ連れて行ってくれたころの記憶は未だにある。愛おしくなる。別に昔の話ではない。父親は心配のあまり事務所まで電話し、母親は23年目の私の誕生日に初めて生まれた時間を教えてくれた。自分はなんと愛されているのだろうと。

だから、絶対死にたくない。

ネットがつながり、Sさんから色々巷を賑すニュースを聞く。そのなかで、ヨルダンでボランティアが拉致されたこと、カンボジアでボランティアが亡くなったことを聞いた。そして自分のいるPNGのことでは、最近ボランティアが集団リンチを受けて首都に避難したというのだ。中国人排斥運動のせいもあってかなり、危険な場所もあるようだ。1000人を越えるデモが首都であったとか・・。自分は決して安全な場所に居ないということを再認識した。

でも、絶対死ぬわけにはいかない。

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