10.11.09

22/08/09 ハワイ

正午に、Masobu(サッカーチームの名前)の監督の家に呼ばれていた。しかし予定通り集まらない。気にせずゆっくり、1時間遅れて出発した。監督Pitaと奥さんGlace(学校の同僚),子どもら3人とチームメイト2人WillyとMr.Kwam。あと数人。モータボートで40分くらいで着いた。初めての体験だった。水しぶきでびしょびしょになった。”LikLik samting”(ちょっとしたこと)だった。

ハワイ島に着くと、青い海、薄い青、エメラルドのような・・様々な色が美しかった。早速監督と子ども達、チームメイトみんなで島を一回り。ゆっくり歩いて、いろいろ教えてくれた。この島はじつに起伏の無い。珊瑚の島だ。周り数百mは珊瑚の森の浅い海だ。だから遠くで波が砕けている。途中監督の親戚に挨拶をした。全部で100人も住んでいないと思われる。大きな新しいそうな船もあった。親戚曰く、マレーシアかベトナムの掘削船(石を取っているらしい)がこの島にイカリを下した。しかし、この島の周りは漁場なので島民は困って立ち退くことを要求したらしい。泊まるなら港がある街に行ってくれと。結局船は訴えられて関係者は今牢屋に居るらしい。ただ・・船は東南アジアのものだが、チャーターしたのは日本人だったとか・・。全ては噂だが。

この島には良いグラウンドがある。少し凹凸はあるが、芝も強い。夕方は少しボールを蹴った。子どもがいっぱいいた。明日はここで練習か、と思ったら明日は試合だよ!ということだった。明日、他の選手が来るとのことだ。ついにデビュー戦。体を洗って(もちろん水道はないので雨水のタンク)、晩御飯を頂いた。燻した魚、茹でた魚、サクサク、ご飯。皆さんよく食べること・・。魚のだしが効いたスープが絶品だった。そしてお喋りの時間。電気も無いのでランプの明かりだ。試合の話をした。私は中盤を任された。10時に就寝。

朝5時に鶏の声に目を覚ます。WillyとMr.Kwamは魚を取りに行った。仕掛けた網をチェックした。私は監督とその兄さんの話を聞いていた。

戦時中、日本兵が先に来てこの島に居た。アメリカ兵がこの島に近づこうとしたが、それを砲台で阻止していたらしい。ある日、日曜日にアメリカの飛行機がこの島の上空を飛び、ビラを撒いた。「正午にこの島を焼き払うから、この島から出ていけ」ということだったらしい。そして、原住民のほとんどは避難し、一部の原住民と日本兵は遠くからのアメリカの大砲によって、島ごと焼き尽くされたらしい。その後この島にはアメリカ兵が居た。彼らの作った車のための道、バスケットコートだったコンクリートの地面が残っている。白い砂浜に鉄の塊がある。日本の古い船だ。向こうに見えるのはアメリカのだ。日本兵の使った砲台は、タウンの郵便局の近くに彼らの父によって移された。しかし、子どもらはこの島に戻したいと考えているようだ。日本もアメリカもどうでもいいことだった。彼らは無実だった。今は日本人を責めたりしないのか、と聞いた。「自分と同じで、君もただ聞くことしかできない」、と答えた。戦争を知らない人を責める気はないらしい。実際日本人は好きだと言うし、私にとても親切にしてくれている。息子達も戦争を体験していない。聞いた話を語り継いでいるだけだ。「日本に帰ったら、家族・友達に話してくれ。豊かな森は失われた。この経験・残された爪痕が自分たちの財産なんだ。」と。

その後、海へ。シュノーケルを着け、WillyとMr.Kwamとカヌーで海に出た。Willyは優れた漁師らしい。モリを持ってあっという間に見えなくなった。彼の勇姿を見たく追いかけたが、だめだ。見つけるたびに手に魚を持っている。Mr.KwamはEkom high schoolの教師だが、非常に上手に泳ぐ。彼が面倒を見てくれた。たくましい男たちだ!本当に海の色が違う。波はpapitalaiよりかなり高い。カヌーを動かすのに苦労した。途中ひっくり返ってもliklik samtingだ。ちなみに、海が浅いことに気付かずにカヌーから飛び込んだせいで、珊瑚で足をまた切ってしまった。せっかく治ったのに。liklik samtingだ。二人は心配したが・・。

午後はサッカーの試合。たくさんチームメートが来ていた。生徒も多い。Willyは海で泳ぐと筋肉がリラックスしていいんだと言っていた。私は海で何度か足がつるくらい大変だった。けがは・・ここに医者はいない。昨夜隣のおばさんに私が頭痛薬をあげたくらいだ。Willy曰く、ココナッツオイルを塗ればすぐ良くなる、と。カサブタも無いところにたっぷり塗ってくれた。でも、出血が早くおさまった・・気がする。青いユニホーム、ソックスを支給された。背番号5番。守備的MFは走りまわった。太陽が照りつける中。ボールをキープできる自信が無かった。そのせいか、やや慌ただしい展開になった。何もできなかった。結局試合は1-0で勝った。45分ハーフの試合自体初めてだった。一緒にプレイ出来て良かったと言ってくれた。もっと強くなりたい・・そう思った。2年後誰か分からないくらいたくましくなろう。

ボートでタウンへ帰った。もう日は落ちていた。月、星が美しかった。海面を眺めていた。自分がこんな生活をしている、幸せを噛みしめていた。この国で良かったと。この任地で良かったと。子どもらにジャンケンとあっち向いてホイを教えた。お礼に歌を教えてくれた。いいカタチだと思う。

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